一人でも寂しくない!日々が楽しくなる終活仲間の見つけ方とお墓の選び方

「墓友」という言葉を聞いたことはありますか?

ゆくゆくは同じお墓に入る友人関係のことを指し、2014年にはドラマ「世にも奇妙な物語」でも墓友をテーマにしたストーリーが放送され話題になりました。

共同墓や樹木葬といった「同じ思いを持つ人たちと一緒に眠る」というスタイルは、お墓をみんなで守るため家族へ負担をかけません。

この記事では、墓友という新しいつながりが生まれる永代供養墓について取り上げ、運営する団体やお墓を選ぶときの注意点などをまとめています。

「自分のお墓の管理に不安がある」「終活友達がほしい」

こんな人は参考にしてみてくださいね。


墓友は終活を通じて出会う

墓友とは、「一緒のお墓に入ることを前提とした友人関係」のことです。

知り合うきっかけとなるのはこんな場面です。

  • お墓を生前契約し、友の会に入会
  • お寺の合同供養に参加
  • 葬儀場を生前予約し、勉強会に参加
  • 終活セミナーに参加

自分の最期を考える「終活」を通じて仲良くなることが多いようですが、以前からの友人同士が一緒のお墓を契約した場合も「墓友」と呼ばれます。

「子どもに迷惑をかけたくない。」

「家に縛られず、自分が心地よく眠れる場所に入りたい。」

このように家のお墓をあえて選ばずに、血縁関係のない友人や幼馴染と一緒のお墓に入ることを選ぶ人が増えてきました。

同じ思いを持つ者同士打ち解けやすく、心の深いところまでオープンにして交流を持てるのが墓友の良さだと言います。

墓友ってなにをするの?
「お墓をみんなで守り、みんなで入る」というゆるやかな共同体である墓友。

個人的なつながりから墓友になる場合もあれば、墓地やお寺の呼びかけや会員制度で墓友が見つかる場合もあります。

墓友としての活動の一例にはこのようなものがあります。
  • 俳句の会
  • 健康体操、気功の会
  • 遠足、散歩会
  • 合同供養祭
  • 見学・相談会

墓友ができて毎日イキイキ!
墓友同士の交流会を持つことで、毎日がより楽しくなったと答える人がたくさんいます。

「この年で新しく友達ができるなんて嬉しい」
「お墓に入るまでは健康でいなくっちゃね」
「みんなが来てくれるから、家族に心配しないでって言える」
「同じお墓に入るから、心を開いて仲良くなれる」

家族に心配をかけずに、自分も安心して毎日を楽しく過ごせるという利点があります。


お墓の種類と墓友

継ぐ人がいなくても、お寺が家族に代わって供養・管理をするお墓を永代供養墓と言います。

(公営墓地などでは「合葬式墓地」や「合葬式納骨堂」と呼ばれることもあります。)

永代供養墓は、継承者がいなくても生前に契約可能で、没後の管理費は不要のところが多いという特徴があります。

永代供養墓を使う理由
  • 身寄りがない(おひとりさま)
  • お墓の継ぎ手がいない、または遠くに住んでいる
  • 子どもにお墓の管理で負担をかけたくない
  • 婚家の墓に入りたくない
  • お墓を引越したい(改葬)
このように、さまざまな人が利用しています。


永代供養墓4つのタイプ

家族のかわりにお寺が供養してくれる永代供養墓には、4種類のタイプがあります。

  1. 樹木葬:外柵を設けず記念樹の下に合祀。遺骨は土に埋める。
  2. 共同墓(集合型):記念碑や供養塔の下に合祀。遺骨は納骨スペースに納める。
  3. 納骨堂:骨壺を納骨壇に納め、一定期間後は合祀する。屋内型。
  4. 個別墓:家の墓同様、個別に墓石を建て遺骨はカロートに納める。

この中でも墓友の交流が活発なのは、NPO法人が運営する新しいコンセプトの墓地や、生前契約をした檀家さん同士などです。

※3.個別墓は生前交流の機会が少ないので説明を省きます。

樹木葬
NPO法人など民間団体が運営する墓地のうち、桜などのシンボルツリーの下に埋葬する方法が「樹木葬」です。

遺骨は骨壺から出して土に埋めます。

一人分ずつ区画が分かれていますが隣の人との区切りがないため、一見すると公園や広場のように見えます。

木の下で眠る、自然に還るというイメージから人気のあるタイプです。

生前に契約すると、墓地の会員となり合同葬や交流会に参加します。

コミュニティとしての墓友のつながりが生まれやすい形です。

特徴
  • 墓碑のかわりにシンボルツリーを植える
  • 遺骨を骨壺から取出して土に還す
  • 隣の区画との柵や墓石がない集合墓
  • 個人で入れる区画と家族用がある
  • 希望すればお墓を継承することもできる

メリット
  • 費用が安く、埋葬後は管理費がかからない
  • 宗教・宗派・宗旨不問のところが多い
  • 管理は運営団体が行い、管理費は不要
  • 合同葬、合同供養を行う
  • 墓地購入者の交流、死後の事務サポートがある

デメリット
  • 遺骨の取出しや移動はできない
  • お参りが他の家族と重なることがある

共同墓(集合型)
民間の法人団体や宗教法人が運営する墓地の敷地内に、墓碑や供養塔を建てその下に合祀します。

遺骨は骨壺から出して共同の納骨スペースに納めます。

最初から合祀するタイプと、三十三回忌など一定期間安置の後に合祀するタイプ(個別墓)があります。

ペットと一緒に入れるお墓や、女性だけのお墓、映画を愛する人のためのお墓などさまざまなコンセプトの共同墓が建てられており、明るく開放的な公園型墓地がたくさんできています。

また、医療・福祉施設や寺院の管理する共同墓もあります。

樹木葬と同様、生前契約した人同士が合同供養やイベントを通じて交流を持てるようになっています。

お寺が茶話会を主催したり、墓友を募集するところもあります。

特徴
  • 運営元は法人団体や宗教法人
  • 墓碑や供養塔を建てる
  • 共同の納骨スペースに遺骨を納める

メリット
  • 多様なテーマのお墓から選べる
  • 宗教・宗派・宗旨不問のところが多い(宗教法人管理墓地を除く)
  • 最初から合祀だと費用は安い
  • 管理費や寄付金がない
  • 墓地購入者の交流、死後の事務サポートがある

デメリット
  • 個別墓以外は遺骨の取出しができない
  • 運営団体がなくなる可能性がゼロではない

納骨堂
「お墓は必要ないけれども個別の供養をしたい」という人に選ばれているのが納骨堂です。

遺骨を収納する屋内型施設で、寺院の敷地内や、寺院に隣接して建てられます。

生前契約した人が実際にお墓を利用するまでには時間があるため、お寺が茶話会など交流の機会を作ることが増えてきました。

納骨堂は主に4種類の形式があります。
  1. 仏壇式:納骨スペースが仏壇のようになっており、本尊や仏具を置く。
  2. 位牌式:位牌と骨壺を位牌壇に安置する。
  3. ロッカー式:納骨スペースがロッカー棚のように並ぶ。
  4. カード式:収蔵庫に納められた骨壺をカードで呼び出す。
10〜50年の間(多くは三十三回忌まで)、個別スペースで安置した後、共同墓に合祀されます。

特徴
  • 運営元は寺院
  • 納骨壇を建てる集合墓の形
  • 個別の納骨スペースに遺骨を納める
  • スペースに写真や思い出の品を置ける

  • メリット
    • 交通の便が良い場所にあることが多い
    • 屋内で参拝できる
    • 個別墓を作るよりも安い
    • 遺骨の引取りが可能な場合が多い

    デメリット
    • 宗派が限定される場合がある
    • 味気ない印象を受けることがある
    • 年間管理費が必要なことが多い


    運営団体が主催する墓友の取り組み

    生前契約できる永代供養墓では、墓友の募集や交流を積極的に行うところが増えています。

    実際に墓友の募集をしている寺院や、会員の生前交流を行っているNPO法人の一例を集めました。

    NPO法人エンディングセンター

    • 形態:樹木葬
    • 名称:エンディングセンター会員
    • 内容:交流会、合同供養


    NPO法人スノードロップ

    • 形態:樹木葬、共同墓
    • 名称:スノードロップ会員
    • 内容:コミュニケーションサークルの参加、合同供養祭
    陽だまりの碑・こもれびの里合同供養祭の案内メール


    実相寺 青山霊廟

    • 形態:納骨堂
    • 名称:とわ友・結の会
    • 内容:茶話会、遠足、体操
    とわ友「結の会」のメール


    樹木葬専用ガーデン墓地「千の風みらい園」

    • 形態:樹木葬
    • 名称:特になし
    • 内容:無料説明会、自由参加の法要
    樹木葬霊園 秋の法要のお知らせメール


    川崎市 秋月院

    • 形態:共同墓
    • 名称:墓友
    • 内容:年間行事の参加
    墓友募集のBBS


    生前交流できるお墓を選ぶときの注意点

    永代供養墓の中には友人同士で入れたり、墓友として生前交流が盛んなところがあるということがわかりました。

    では、そのようなお墓を選ぶときに確認しておきたい点を以下にまとめました。

    合葬が基本

    樹木葬や共同墓は基本的に合葬となり、ほかの人と一緒に遺骨を納めます。

    骨壺から遺骨を取り出して専用袋などに移すため、納骨後に遺骨を取り出すことが難しくなります。

    また納骨堂や個別区画を購入した場合は骨壺のまま一定期間安置されますが、三十三回忌を区切りに合祀になるところがほとんどです。

    分骨してお墓を建てたり、移動させる必要がないかよく検討しましょう。


    お参りは相互供養

    共同墓や樹木葬、納骨堂では相互供養(そこに眠るみんなを供養する)となり、個別のお参りはできません。

    また参拝所に指定がある場合、ほかの家族とお参りが重なってしまうこともあります。


    運営団体はしっかりしている?

    墓地や霊園は、行政の審査を通った団体に運営許可を出しています。

    しかし運営元の倒産などでお墓が管理できなくなる可能性はゼロではありません。

    もしもの場合はどのような措置が取られるかを確認しておきましょう。


    管理費は必要?

    永代供養墓は生前契約する人が多く、お墓に入るまでは年会費や管理費を徴収する場合が多いです。

    お墓に入った後は管理費などが不要になることが多いですが、納骨堂や個別墓など個人スペースを必要とする場合は、没後も管理費が発生することがあります。

    友の会のように会員制度になっているところは、生前交流があることが多いので問い合わせてみましょう。


    【ケース別】墓友ができるお墓の選び方

    • 墓友がほしい:樹木葬、共同墓
    • 遺骨を自然に還したい:樹木葬
    • 個別にお参りしたい:納骨堂
    • ペットと一緒に眠りたい:ペット可の共同墓・納骨堂
    • お金をかけたくない:樹木葬、共同墓

    墓友に興味がある人は、永代供養を扱うお寺やNPO法人を中心に探してみることをお勧めします。

    最近では無料見学会や相談会を開催するところもたくさんあります。

    こんな形にしたいというお墓のスタイルが思い浮かんだら、実際にどこに霊園や墓地があるのかを見てみることも大切です。

    樹木葬や共同墓を運営するNPO法人

    NPO法人エンディングセンター

    NPO法人スノードロップ


    樹木葬を個別で行いたい、納骨堂など全国の永代供養墓一覧

    もしもドットネット(運営元:首都圏石材協同組合)