家族を超えたつながりで脱継承・脱無縁を目指す「桜葬」見学レポート
少子高齢化の現代、「今は良くても、ゆくゆくお墓が無縁墓になってしまう」と感じる人は50%を超え、お墓をどうするかという問題は避けて通れなくなっています。
従来のお墓に代わる新しい供養の方法が登場し、テレビドラマの1シーンでも納骨堂や公園型の墓地などが登場していることから、墓地のイメージも随分変化しているのを感じます。
平成26年の市民調査では従来型のお墓を希望する人はわずかに14.5%でした。
新しい供養方法として人気の樹木葬は従来のお墓のように継承を必要とせず、墓石を立てずに記念樹や桜の木の下に埋葬する方法です。
こうしたニーズにいち早く対応し、多くのメディアの注目を集めているのが、NPO法人エンディングセンターが運営する「桜葬」です。
自然に囲まれた明るい墓地は桜を墓標とし、お墓に入った後は管理や維持費が不要で誰でも入ることができます。
家族的なつながりを大切にしているということで、墓友の交流も盛んでなんだか楽しそう!?
東京と大阪にある墓地のうち、今回は大阪府高槻市にある桜葬墓地の見学会に参加してきました!
樹木葬の実際の雰囲気や利用方法、デメリットや費用のことなどを詳しくレポートします。
特に「お墓を継ぐ人がいなくて自分がお墓に入っても無縁墓になるかも」などの不安がある人はぜひ読んでみてくださいね。
墓石のかわりに記念樹を墓標とし、最後は土に還りたいと希望する人に受け入れられています。
個々の墓地区画にそれぞれ樹木を植えるもの、山に植樹して墓地とするものなどタイプはいくつかありますが、区画の真ん中に木を植え大きく育てていくところが多いようです。
桜葬はエンディングセンターの商標登録で、桜の木を墓標としています。
敷地には30本の桜が植えられ、春には桜の木の下で合同供養祭が行われます。
まるでお花見のような和やかな雰囲気で、しんみりとしたお墓のイメージとは全く異なります。
桜葬は「こんなお墓がほしい」という市民の声をもとに、2005年に東京都で初めて誕生した樹木葬墓地です。
墓地を購入した会員同士が家族のように交流でき、一人暮らしの死後の事務サポートなども行うとあって、「誰でも安心して入れる理想のお墓」として人気を集めています。
駅からタクシーで30分ほど。墓地を運営する神峯山寺(かぶさんじ)の境内に入り、山を登ったところにあります。
ハイキングコースになっているので、参加者の中には最寄りのバス停から歩いて来られる方もいました。
山道は狭く、お彼岸などのお参りシーズンには渋滞もあるそう。
こういった交通の便も現地に行ってはじめてわかることでした。
見晴らしがよく、鹿もやってくるという自然豊かな墓地は一見すると公園のような佇まいです。
春になると芝生も木々も青々と成長し、桜の季節には合同供養のメモリアル祭も行われてとても気持ちが良いそうです。
私が見学したときは冬の薄曇りの日だったので少しガランとした印象でしたが、それでも献花台にはお花が絶えることなくきちんと管理され、彩りを添えていました。
周囲に建物がないので空が広く開放感があり、こんな広々としたお墓なら入る人も、お参りに来る家族も気持ちが良いなあと感じました
桜葬の特色は「後継ぎの必要がないこと、宗教を問わず誰でも入れること、自然志向であること」などが挙げられ、墓地は会員専用です。
従来のお墓が一戸建てだとすると、樹木葬はお墓のマンション。
一見公園のように見える芝生の下は埋葬区画になっています。
区画には深さ80pの縦穴が掘られており、1つの区画につき2人まで遺骨を納めることができます。
1人分はもちろん、夫婦2人や家族4人など人数に応じて区画を購入します。
子ども達が入りたいと思ったときのために、子どもの分も区画を買って家族のお墓にする人もいます。
例えば家族4人分で2区画を購入した場合は、その場所に遺骨が入るまでは空のままキープされます。
基本的には1人ずつ埋葬されますが、最近では複数の遺骨を1つの場所に埋葬する共同墓エリアも登場し、自分に合ったところを選ぶことができます。
人気があるのは正方形の銘板に彫刻ができるエリアで、お参りする家族が故人が眠る場所を特定しやすいことや、隣の人と少し離れているためプライベート感があることなどが人気の理由だそうです。
銘板彫刻をすることができ、名前だけでなく「ありがとう」「愛」といったメッセージを記録しているものも見られました。
お参りの際はお花だけを残すことができ、夕方にはスタッフの手で献花台へ移されます。
なので献花台にはいつもたくさんのお花があるそうです。
その他のエリアは個々の銘板を置かないタイプですが目安石が置かれており、故人の眠る場所が特定できるようになっています。
共同墓は共同埋葬なので費用も安く、1人20万円で利用できます。
コストが抑えられることがメリットで、親族一同のお墓を移す場合などに利用する人も多いそうです。
一般的に樹木葬の費用は20万円〜70万円と言われています。
安いところは初めから共同墓であることが多く、桜葬の場合も共同墓エリアは1人20万円で購入できます。
桜葬のように個人のスペースを半永久的に確保するところは70万円を超える場合も多いので、ほかの墓地と比べるとリーズナブルであると言えます。
墓地によっては一定年数安置した後は共同墓に合祀(ごうし)して、次の人を入れてしまうところも多くありますが、「桜葬」の場合は一度埋葬した遺骨は半永久的にそのまま安置され、土に還ることができます。
そして契約者である会員が亡くなった後の会費や管理費は不要。
お墓に入るまでの年数=会費を払う年数なので、本人による生前申し込むのが一番お得だということでした。
ですがお墓に入る際には宗教は問われず、檀家になる必要もありません。
埋葬時にはお坊さんを呼ばずに遺族とエンディングセンターのスタッフが立ち合い、自らの手で埋葬します。
無宗教やキリスト教などの他宗教の会員もいるそうで、別途費用を払って僧侶を呼ぶ人は全体の3割だということです。
ただし、他宗派や他宗教の僧侶を招いて法要を行うことは難しいそうです。
他の墓地では彼岸に行うところや、お寺が運営する永代供養墓では毎月行うところもあります。
また、質疑応答ではこんな質問がありました。
家族のあり方が変わっていくなかで、家族を超えた新しいつながりを生み出そうという活動は多くのメディアの注目を集めています。
家族はお参りに来てもいいし、来なくても管理はしっかりしてもらえる。
会員同士の交流が盛んなので、墓友ができて毎日に張り合いがでる。
「終の棲家を共にすることで心を開いて語り合える」と会員の方もおっしゃっていました。
合同供養祭でお参りに来た遺族同士が仲良くなったり、エンディングセンター主催のイベントも毎月のように行われ、交流を深めるきっかけになっています。
会員同士が墓友になり、語りあう機会やサークル活動、ボランティア活動などが盛んに行われています。
ここがお墓ということを忘れるほど、みなさんがイキイキと楽しそうな様子に「ここなら一人でも寂しくないし、仲間と楽しく過ごせそう」と感じました。
「今はいいけど、これから先もお墓を守ってもらえるかは難しい」
「独り身なので、お墓や最後の準備もそろそろ考えなければね」
「親にはちゃんとしてあげたいけど、自分は立派なお墓はいらない。子どもに手を煩わせたくない」
どれも今の社会で多くの人が直面する問題です。
これまでのお墓を維持することに行き詰ったとき、永代供養や樹木葬などに関心を寄せる人は非常に増えています。
こうしたお墓を実際に見てみることで、自分に合った方法を考えるきっかけになります。
今回訪れた桜葬墓地は東京と大阪の2か所にあり、毎月見学会を開催しています。
また、全国の樹木葬墓地を探すにはこちらのサイトが便利です。
樹木葬や永代供養墓、ペットと一緒に入れる墓地など絞り込んで探すことができます。
>>もしもドットネット
まずは情報を集めるところからスタートしてみることをおすすめします。
従来のお墓に代わる新しい供養の方法が登場し、テレビドラマの1シーンでも納骨堂や公園型の墓地などが登場していることから、墓地のイメージも随分変化しているのを感じます。
平成26年の市民調査では従来型のお墓を希望する人はわずかに14.5%でした。
新しい供養方法として人気の樹木葬は従来のお墓のように継承を必要とせず、墓石を立てずに記念樹や桜の木の下に埋葬する方法です。
- 大げさなお墓は必要ない、子どもに負担をかけたくない
- 最後は自然に還りたい
- これから先も後継ぎがいるか分からない
- ひとりなので管理をしてもらえるお墓がいい
こうしたニーズにいち早く対応し、多くのメディアの注目を集めているのが、NPO法人エンディングセンターが運営する「桜葬」です。
自然に囲まれた明るい墓地は桜を墓標とし、お墓に入った後は管理や維持費が不要で誰でも入ることができます。
家族的なつながりを大切にしているということで、墓友の交流も盛んでなんだか楽しそう!?
東京と大阪にある墓地のうち、今回は大阪府高槻市にある桜葬墓地の見学会に参加してきました!
樹木葬の実際の雰囲気や利用方法、デメリットや費用のことなどを詳しくレポートします。
特に「お墓を継ぐ人がいなくて自分がお墓に入っても無縁墓になるかも」などの不安がある人はぜひ読んでみてくださいね。
樹木葬の先駆け、エンディングセンターの桜葬墓地
従来のお墓に代わる新しい葬送方法として樹木葬は人気があります。墓石のかわりに記念樹を墓標とし、最後は土に還りたいと希望する人に受け入れられています。
個々の墓地区画にそれぞれ樹木を植えるもの、山に植樹して墓地とするものなどタイプはいくつかありますが、区画の真ん中に木を植え大きく育てていくところが多いようです。
桜葬はエンディングセンターの商標登録で、桜の木を墓標としています。
敷地には30本の桜が植えられ、春には桜の木の下で合同供養祭が行われます。
まるでお花見のような和やかな雰囲気で、しんみりとしたお墓のイメージとは全く異なります。
桜葬は「こんなお墓がほしい」という市民の声をもとに、2005年に東京都で初めて誕生した樹木葬墓地です。
- 桜の下に眠る、土に返るという自然志向
- 跡継ぎがいらない
- 一人でも、家族でも、友人同士でも入れる
- 死後の事務手続きの代行サポートがある
墓地を購入した会員同士が家族のように交流でき、一人暮らしの死後の事務サポートなども行うとあって、「誰でも安心して入れる理想のお墓」として人気を集めています。
大阪の桜葬墓地を見学!
今回私が見学に行ったのは、2012年にオープンした大阪府高槻市にある桜葬墓地です。駅からタクシーで30分ほど。墓地を運営する神峯山寺(かぶさんじ)の境内に入り、山を登ったところにあります。
ハイキングコースになっているので、参加者の中には最寄りのバス停から歩いて来られる方もいました。
山道は狭く、お彼岸などのお参りシーズンには渋滞もあるそう。
こういった交通の便も現地に行ってはじめてわかることでした。
墓地のようす
到着した墓地はこじんまりした公園といった様子で、入り口から端までが見渡せる敷地内を端から端まで歩いても5分程度の広さです。見晴らしがよく、鹿もやってくるという自然豊かな墓地は一見すると公園のような佇まいです。
春になると芝生も木々も青々と成長し、桜の季節には合同供養のメモリアル祭も行われてとても気持ちが良いそうです。
私が見学したときは冬の薄曇りの日だったので少しガランとした印象でしたが、それでも献花台にはお花が絶えることなくきちんと管理され、彩りを添えていました。
周囲に建物がないので空が広く開放感があり、こんな広々としたお墓なら入る人も、お参りに来る家族も気持ちが良いなあと感じました
桜葬の埋葬方法
見学会では最初に桜葬のVTRを見て、概要の説明を聞きます。桜葬の特色は「後継ぎの必要がないこと、宗教を問わず誰でも入れること、自然志向であること」などが挙げられ、墓地は会員専用です。
従来のお墓が一戸建てだとすると、樹木葬はお墓のマンション。
一見公園のように見える芝生の下は埋葬区画になっています。
区画には深さ80pの縦穴が掘られており、1つの区画につき2人まで遺骨を納めることができます。
1人分はもちろん、夫婦2人や家族4人など人数に応じて区画を購入します。
子ども達が入りたいと思ったときのために、子どもの分も区画を買って家族のお墓にする人もいます。
例えば家族4人分で2区画を購入した場合は、その場所に遺骨が入るまでは空のままキープされます。
選べる埋葬区画
墓地には6つのエリアがあり、立ったままお参りできるエリア、埋葬区域に立ち入れるエリア、市内を一望できるエリアなどそれぞれに特徴があります。基本的には1人ずつ埋葬されますが、最近では複数の遺骨を1つの場所に埋葬する共同墓エリアも登場し、自分に合ったところを選ぶことができます。
人気があるのは正方形の銘板に彫刻ができるエリアで、お参りする家族が故人が眠る場所を特定しやすいことや、隣の人と少し離れているためプライベート感があることなどが人気の理由だそうです。
銘板彫刻をすることができ、名前だけでなく「ありがとう」「愛」といったメッセージを記録しているものも見られました。
お参りの際はお花だけを残すことができ、夕方にはスタッフの手で献花台へ移されます。
なので献花台にはいつもたくさんのお花があるそうです。
その他のエリアは個々の銘板を置かないタイプですが目安石が置かれており、故人の眠る場所が特定できるようになっています。
共同墓は共同埋葬なので費用も安く、1人20万円で利用できます。
コストが抑えられることがメリットで、親族一同のお墓を移す場合などに利用する人も多いそうです。
費用について
区画は1人40万円、2人で60万円となり、共同墓以外のどのエリアを選んでも同料金です。一般的に樹木葬の費用は20万円〜70万円と言われています。
安いところは初めから共同墓であることが多く、桜葬の場合も共同墓エリアは1人20万円で購入できます。
桜葬のように個人のスペースを半永久的に確保するところは70万円を超える場合も多いので、ほかの墓地と比べるとリーズナブルであると言えます。
墓地によっては一定年数安置した後は共同墓に合祀(ごうし)して、次の人を入れてしまうところも多くありますが、「桜葬」の場合は一度埋葬した遺骨は半永久的にそのまま安置され、土に還ることができます。
そして契約者である会員が亡くなった後の会費や管理費は不要。
お墓に入るまでの年数=会費を払う年数なので、本人による生前申し込むのが一番お得だということでした。
宗教は自由
桜葬墓地の運営元は神峯山寺(かぶさんじ)なので、合同供養祭は仏教式で行われます。ですがお墓に入る際には宗教は問われず、檀家になる必要もありません。
埋葬時にはお坊さんを呼ばずに遺族とエンディングセンターのスタッフが立ち合い、自らの手で埋葬します。
無宗教やキリスト教などの他宗教の会員もいるそうで、別途費用を払って僧侶を呼ぶ人は全体の3割だということです。
ただし、他宗派や他宗教の僧侶を招いて法要を行うことは難しいそうです。
合同供養は年1回
桜葬では、毎年桜が咲くころに合同供養祭が行われます。他の墓地では彼岸に行うところや、お寺が運営する永代供養墓では毎月行うところもあります。
また、質疑応答ではこんな質問がありました。
2人納骨の時は、他の人の骨と一緒にならないの?
遺骨は骨壺から取り出してさらし袋に入れ、その上に白い砂、普通の土、木の板を重ねます。
2人目を納骨するときには木の板が目印になり、1人目の遺骨と混ざることはありません。
万が一木の板が朽ちてしまっても、遺骨の上には白い砂が敷かれているため間違って掘り返すことはないそうです。
2人目を納骨するときには木の板が目印になり、1人目の遺骨と混ざることはありません。
万が一木の板が朽ちてしまっても、遺骨の上には白い砂が敷かれているため間違って掘り返すことはないそうです。
土に還るまでは何年かかる?
一般的に遺骨が土に還るまでには数十年から100年以上もの長い時間が必要になります。
桜葬墓地は一度埋葬された後は半永久的にその場所に安置されるため、時間をかけて土に還ることができます。
桜葬墓地は一度埋葬された後は半永久的にその場所に安置されるため、時間をかけて土に還ることができます。
家族を超えたご縁を大切に
見学会で印象的だったのは、スタッフのみなさんがアットホームで家族的なつながりを大事にされていることです。家族のあり方が変わっていくなかで、家族を超えた新しいつながりを生み出そうという活動は多くのメディアの注目を集めています。
家族はお参りに来てもいいし、来なくても管理はしっかりしてもらえる。
会員同士の交流が盛んなので、墓友ができて毎日に張り合いがでる。
「終の棲家を共にすることで心を開いて語り合える」と会員の方もおっしゃっていました。
合同供養祭でお参りに来た遺族同士が仲良くなったり、エンディングセンター主催のイベントも毎月のように行われ、交流を深めるきっかけになっています。
会員同士が墓友になり、語りあう機会やサークル活動、ボランティア活動などが盛んに行われています。
ここがお墓ということを忘れるほど、みなさんがイキイキと楽しそうな様子に「ここなら一人でも寂しくないし、仲間と楽しく過ごせそう」と感じました。
お墓問題解決の一歩は知ることから
見学会に参加する人にきっかけを尋ねると、以下のような答えが返ってきました。「今はいいけど、これから先もお墓を守ってもらえるかは難しい」
「独り身なので、お墓や最後の準備もそろそろ考えなければね」
「親にはちゃんとしてあげたいけど、自分は立派なお墓はいらない。子どもに手を煩わせたくない」
どれも今の社会で多くの人が直面する問題です。
これまでのお墓を維持することに行き詰ったとき、永代供養や樹木葬などに関心を寄せる人は非常に増えています。
こうしたお墓を実際に見てみることで、自分に合った方法を考えるきっかけになります。
今回訪れた桜葬墓地は東京と大阪の2か所にあり、毎月見学会を開催しています。
NPO法人エンディングセンター
関西事務所:
〒569-1051
大阪府高槻市大字原1371-12 開成院霊園内
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◇電話受付10:00〜16:00 火曜日定休
また、全国の樹木葬墓地を探すにはこちらのサイトが便利です。
樹木葬や永代供養墓、ペットと一緒に入れる墓地など絞り込んで探すことができます。
>>もしもドットネット
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