成年後見の申立て手続きと、代行申請などの相談先まとめ
家族が認知症になり、「成年後見制度」を使いたい。
けれど実際に調べてみると、手続きが難しそうで不安…ということはありませんか?
この記事では、成年後見制度の手続きや、代理申請の依頼先について説明します。
これから申立てを行うけど、どこから始めれば良いかわからないという人はぜひ参考にしてみてください。
相談先としておすすめなのが、全国に支部がある「成年後見センター・リーガルサポート」。
リーガルサポートは司法書士によって設立された公益社団法人で、7,000人以上の会員が後見業務を行っています。
成年後見に詳しい司法書士を紹介してもらえることはもちろん、無料相談やセミナーも開催されています。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」
以下、申立ての手続きを説明していきますが、難しいと感じる場合は専門家への相談をおすすめします。
裁判所のホームページから、申立ての手順を説明したビデオを見ることもできます。
裁判所:成年後見制度について
本人の住所を管轄する家庭裁判所へ、必要書類を集めて提出します。
基本的には申立て書+戸籍謄本などの添付書類になりますが、各地の裁判所ごとに定める書式や必要な提出書類が少しずつ異なるため確認が必要です。
<例:東京家庭裁判所の場合>
また、「成年後見 申立て 東京」といったように地域の名前で調べると、申立てに必要な書式セットをダウンロードできます。
書類審査が通らず、申立が却下されるということはほとんどありません。
申立人と後見人候補者、本人と面談して状況を確認したり、親族の意向を確認します。
これは申立て全体の11.6%でそれほど多くはありません。
鑑定期間はその半数が1ヶ月以内で、費用は3〜10万円程度です。
審判が確定するまでには2週間ほどかかります。
多くは申立書通りの候補者が選ばれますが、親族が後見人になる場合には併せて「後見監督人」が選ばれます。
家裁の判断で、弁護士や司法書士といった専門職の後見人に選任されることもあります。
決定すると成年後見人、申立人、本人に通知が郵送で届きます。
登記が完了するまでは2週間ほどかかり、登記されると法務局で「登記事項証明書」(後見人である証明書)が取得できるようになります。
登記事項証明書を受け取ってはじめて、後見人としての仕事をすることができるようになります。
鑑定が必要な場合は3万〜10万円ほどかかりますが、鑑定が必要な割合は全体の約1割です。
その他必要な費用として、代理申立てを依頼する場合には10〜20万円程度かかります。
成年後見制度は判断力が低下した人を守るためのものですので、全ての決定権は裁判所にあります。
誰を選ぶかは家庭裁判所の裁量に委ねられていて、専門職が関わる必要性があると判断されることもあります。
親族間にもめごとがあれば、申立て書に親族の候補者を挙げていても選ばれることはまずありません。
申立ての取り下げには裁判所の許可が必要になります。
相続をきっかけに後見人になり、財産分与が終わったから解任。ということはできません。
辞任する場合には正当な理由がなければ、裁判所に許可されません。
親族が後見人になる場合は報酬を辞退することもでき、64.2%が無報酬という結果が出ています。
報酬がある場合は月に2.5万円が平均額です。
同じく司法書士や弁護士などの専門職が後見人の場合は、報酬額は月に2〜3万円が平均額です。
また、後見監督人が選任された場合、支払う報酬は月に1〜2万円程度です。
なお財産が5,000万円を超える場合の報酬額は、成年後見人:5〜6万円、後見監督人:2.5〜3万円となります。
最近では親族後見人と後見監督人はセットで選任される場合が多いので、その場合は月3.5〜4.5万円を本人の財産から支払うことになります。
ほとんどが2ヶ月以内に完了しますが、精神鑑定などが入るともう少し長くなることがありますので、余裕をもって4ヶ月ほど見ておきましょう。
急ぎの場合は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼すると対応してもらえます。
集める書類が多く、主治医や法務局、裁判とのやり取りもありますので、確実な手続きには専門家のサポートを受けるのが安心です。
相談先として良いのは、司法書士または弁護士です。
後見人に選任される数では司法書士のほうが上回っています。
弁護士に比べ書類作成の費用も安く依頼しやすいでしょう。
弁護士に依頼したほうがいいケースは、財産が高額で親族の折り合いが悪いなど、相続トラブルになりそうな場合です。
どちらか迷ったときは、まずは成年後見に強い司法書士が探せるリーガルサポートに相談してみましょう。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」
申立て代行費用は、司法書士は約10万円、弁護士では約20万円が相場です。
書類作成だけでなく、後見人を依頼する場合の報酬は、どちらも月2〜3万円程度です。
親族が後見人をつとめるのと変わらない報酬額で、安心して専門家に任せられるというのは大きなメリットです。
専門家を探すときは、管轄の裁判所と同じエリアにある事務所がおすすめです。
地元の事務所であれば密な相談ができますし、後見人候補をお願いすることになっても対応できます。
裁判所への同行も依頼できるところが多いです。
後見制度の概要や申立てについて詳しく聞くことができ、手続きのサポートも受けることができます。
地域包括支援センターをさがす
また、代理申立てや、社協を後見人候補者としても利用することができます。
社会福祉協議会を探す
裁判所から専門職後見人として最も選ばれているのが司法書士です。
「成年後見センター・リーガルサポート」は、司法書士によって設立された公益社団法人で全国に支部があります。
司法書士の紹介だけでなく相談もできますので、最初の一歩としてもおすすめです。
最寄りの支部はこちらから探すことができます。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」
けれど実際に調べてみると、手続きが難しそうで不安…ということはありませんか?
この記事では、成年後見制度の手続きや、代理申請の依頼先について説明します。
これから申立てを行うけど、どこから始めれば良いかわからないという人はぜひ参考にしてみてください。
急ぎの場合は司法書士に相談を
親族以外の後見人に一番選ばれているのが司法書士です。相談先としておすすめなのが、全国に支部がある「成年後見センター・リーガルサポート」。
リーガルサポートは司法書士によって設立された公益社団法人で、7,000人以上の会員が後見業務を行っています。
成年後見に詳しい司法書士を紹介してもらえることはもちろん、無料相談やセミナーも開催されています。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」
以下、申立ての手続きを説明していきますが、難しいと感じる場合は専門家への相談をおすすめします。
申立て手続きの流れ
成年後見の申立ては、後見人を必要とする人(本人)の住所を管轄する「家庭裁判所」で行います。裁判所のホームページから、申立ての手順を説明したビデオを見ることもできます。
裁判所:成年後見制度について
1.家庭裁判所へ申立て
申立てができるのは本人、配偶者、4親等以内の親族(親・子・兄妹・孫・いとこ・甥姪)です。本人の住所を管轄する家庭裁判所へ、必要書類を集めて提出します。
必要書類
定型書式は管轄の家庭裁判所に行くと無料でもらうことができ、郵送で取り寄せることもできます。基本的には申立て書+戸籍謄本などの添付書類になりますが、各地の裁判所ごとに定める書式や必要な提出書類が少しずつ異なるため確認が必要です。
<例:東京家庭裁判所の場合>
- 申立て書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 後見人に登記されていないことの証明書
- 診断書
- 愛の手帳の写し
また、「成年後見 申立て 東京」といったように地域の名前で調べると、申立てに必要な書式セットをダウンロードできます。
2.調査
申立書類の審査を経て、家裁の調査官が事実の調査にあたります。書類審査が通らず、申立が却下されるということはほとんどありません。
申立人と後見人候補者、本人と面談して状況を確認したり、親族の意向を確認します。
3.鑑定
本人の判断能力の実証として、医師に精神鑑定を依頼することがあります。これは申立て全体の11.6%でそれほど多くはありません。
鑑定期間はその半数が1ヶ月以内で、費用は3〜10万円程度です。
4.審判と通知
裁判所の審理を経て後見人が選ばれます。審判が確定するまでには2週間ほどかかります。
多くは申立書通りの候補者が選ばれますが、親族が後見人になる場合には併せて「後見監督人」が選ばれます。
家裁の判断で、弁護士や司法書士といった専門職の後見人に選任されることもあります。
決定すると成年後見人、申立人、本人に通知が郵送で届きます。
5.後見開始の登記
家庭裁判所から法務局へ後見開始の登記を行います。登記が完了するまでは2週間ほどかかり、登記されると法務局で「登記事項証明書」(後見人である証明書)が取得できるようになります。
登記事項証明書を受け取ってはじめて、後見人としての仕事をすることができるようになります。
6.財産目録提出
成年後見人の最初の仕事として、1ヶ月以内に財産目録を作成し提出します。必要書類は15〜20種類ほど
申立ては自分でもできますが、集めなければいけない書類は多岐に渡り、時間と手間がかかります。
書類の記載だけでも数が多いことに加えて、役所や法務局、医師の診断書も取りに行く必要があります。
相続が発生しているなど急ぎの場合や、時間や気力に余裕がない場合は専門家に手続きを代行するほうが良いでしょう。
書類の記載だけでも数が多いことに加えて、役所や法務局、医師の診断書も取りに行く必要があります。
相続が発生しているなど急ぎの場合や、時間や気力に余裕がない場合は専門家に手続きを代行するほうが良いでしょう。
申立てにかかる費用や手数料
申立ての費用は1万円以下とそれほど高くはありません。- 申立手数料: 800円分の収入印紙
- 登記手数料: 2,600円分の収入印紙
- 郵便切手: 3,000〜5,000円(家裁により異なる)
- 鑑定費用: 3万〜10万円(鑑定が必要な場合のみ)
鑑定が必要な場合は3万〜10万円ほどかかりますが、鑑定が必要な割合は全体の約1割です。
その他必要な費用として、代理申立てを依頼する場合には10〜20万円程度かかります。
申立ての注意事項
申立てにあたり気をつけるべきは、申立て人の都合が全て通るとは限らないということです。成年後見制度は判断力が低下した人を守るためのものですので、全ての決定権は裁判所にあります。
申立人=後見人というわけではない
申立人と後見人候補者がどちらも「子ども」で申立てをするケースは多いですが、かならずしもその通りになるとは限りません。誰を選ぶかは家庭裁判所の裁量に委ねられていて、専門職が関わる必要性があると判断されることもあります。
親族間にもめごとがあれば、申立て書に親族の候補者を挙げていても選ばれることはまずありません。
申立てのキャンセルはできない
本人の判断力が低下して後見人の必要がある以上、希望通りの後見人が選ばれないことを理由にキャンセルはできません。申立ての取り下げには裁判所の許可が必要になります。
後見人は簡単に辞められない
一度後見人に選任されれば、本人の能力が回復するか、亡くなるまでその義務は続きます。相続をきっかけに後見人になり、財産分与が終わったから解任。ということはできません。
辞任する場合には正当な理由がなければ、裁判所に許可されません。
気軽な気持ちでは絶対にダメ
成年後見人の申立ては、役所での手続きとは訳が違います。
裁判所は手取り足取り教えてくれる場所ではありませんので、事前にしっかりと知識をつけておく必要があります。
申立人と候補者は、審査や面談を経て後見人としての適性をジャッジされます。
書類の不備が多ければ財産管理能力にも不安を与えてしまうことになりますので、専門家の助けを受けつつ申立てを進めましょう。
裁判所は手取り足取り教えてくれる場所ではありませんので、事前にしっかりと知識をつけておく必要があります。
申立人と候補者は、審査や面談を経て後見人としての適性をジャッジされます。
書類の不備が多ければ財産管理能力にも不安を与えてしまうことになりますので、専門家の助けを受けつつ申立てを進めましょう。
後見人の月額報酬は2〜3万円
成年後見人への報酬は、本人の資産状況を考慮して家裁が決定します。親族が後見人になる場合は報酬を辞退することもでき、64.2%が無報酬という結果が出ています。
報酬がある場合は月に2.5万円が平均額です。
同じく司法書士や弁護士などの専門職が後見人の場合は、報酬額は月に2〜3万円が平均額です。
また、後見監督人が選任された場合、支払う報酬は月に1〜2万円程度です。
なお財産が5,000万円を超える場合の報酬額は、成年後見人:5〜6万円、後見監督人:2.5〜3万円となります。
- 親族後見人: 2.5万円
- 専門職後見人: 2〜3万円
- 後見監督人: 1〜2万円
最近では親族後見人と後見監督人はセットで選任される場合が多いので、その場合は月3.5〜4.5万円を本人の財産から支払うことになります。
申立てが受理されるまでの期間は大体2ヶ月以内
平成25年度の成年後見申立てのうち、94.8%が4ヶ月以内に終わっています。ほとんどが2ヶ月以内に完了しますが、精神鑑定などが入るともう少し長くなることがありますので、余裕をもって4ヶ月ほど見ておきましょう。
急ぎの場合は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼すると対応してもらえます。
申立てを確実にするなら代行申請
成年後見の申立ては、個人で出来ないことはないものの簡単ではありません。集める書類が多く、主治医や法務局、裁判とのやり取りもありますので、確実な手続きには専門家のサポートを受けるのが安心です。
相談先として良いのは、司法書士または弁護士です。
弁護士と司法書士はどちらがいいの?
後見人に選任される数では司法書士のほうが上回っています。
弁護士に比べ書類作成の費用も安く依頼しやすいでしょう。
弁護士に依頼したほうがいいケースは、財産が高額で親族の折り合いが悪いなど、相続トラブルになりそうな場合です。
どちらか迷ったときは、まずは成年後見に強い司法書士が探せるリーガルサポートに相談してみましょう。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」
申立代行は10〜20万円
申立て代行費用は、司法書士は約10万円、弁護士では約20万円が相場です。
書類作成だけでなく、後見人を依頼する場合の報酬は、どちらも月2〜3万円程度です。
親族が後見人をつとめるのと変わらない報酬額で、安心して専門家に任せられるというのは大きなメリットです。
専門家は地元で探す
専門家を探すときは、管轄の裁判所と同じエリアにある事務所がおすすめです。
地元の事務所であれば密な相談ができますし、後見人候補をお願いすることになっても対応できます。
裁判所への同行も依頼できるところが多いです。
無料相談で知識をつける
いきなり専門家のところに行くのは敷居が高いという場合には、無料で相談できる場所があります。地域包括支援センター
高齢者の総合的な相談窓口。後見制度の概要や申立てについて詳しく聞くことができ、手続きのサポートも受けることができます。
地域包括支援センターをさがす
社会福祉士協議会
相談窓口として成年後見支援センターを設けるところが多く、相談のほか勉強会なども開催しています。また、代理申立てや、社協を後見人候補者としても利用することができます。
社会福祉協議会を探す
おすすめは成年後見センター「リーガルサポート」
今すぐ申立てが必要な場合におすすめなのがリーガルサポートです。裁判所から専門職後見人として最も選ばれているのが司法書士です。
「成年後見センター・リーガルサポート」は、司法書士によって設立された公益社団法人で全国に支部があります。
司法書士の紹介だけでなく相談もできますので、最初の一歩としてもおすすめです。
最寄りの支部はこちらから探すことができます。
公益社団法人成年後見センター「リーガルサポート」