わが家は相続税がかかる?いくら払う?を知る方法3つ



2015年から相続税法が改正され、基礎控除額が引き下げられられました。

これまで5,000万円+(1,000万円×法定相続人)が3,000万円+(600万円×法定相続人)になり、改定前に控除額が8,000万円だった人は4,800万円になる計算に。

結果、相続税を払う必要がある人は2倍に増えました。

「親には大した財産もないし、自宅くらいしか残らないから」と思っていても、実際の財産がいくらかを把握せずに楽観視するのは要注意です。

この記事では、わが家では相続税がかかるのかどうか知りたいという人に向けて、以下の3つの算出方法について説明します。
  1. 相続税シミュレーションサイト
  2. 相続税の計算方法
  3. 税理士に相談
不動産評価などは素人では判断が難しいため、最終的には税理士に相談するのが安心です。

いきなり税理士相談にいくのはちょっと…という場合は、ご自分でシミュレーションしてみるところからはじめましょう。

シミュレーションの方法、また自分には相続税がかかるのかどうか、そしてその計算方法についてできる限りわかりやすくまとめていますので参考にしてみてください。


相続税を1分で簡単シミュレーション

相続税のシミュレーションはとりあえずカンタンに、ざっくりとした結果を知りたい場合に便利です。

「うちは大した遺産もないから、法律どおりに分けるし相続税はおそらく大丈夫だろう。」という人は参考になるはずです

相続人の数を選択し、財産額を入力するだけの簡単操作で、計算結果をプリントアウトすることができます。

>>全国相続サポートセンターの簡単シミュレーション

前提として財産額を把握している必要があるので、分からない場合はまず被相続人の方と相談して財産の洗い出しをおすすめします。

利用上の注意点は、「法定相続どおりに遺産分割を行った場合のみ対応」しているということです。

もう少し細かく条件を入力できるものは入力項目も増え、相続税の概要を理解していないと分かりづらいので最後に紹介します。


相続税の計算式は3段階

相続税の計算には3つのステップがありますが、各工程が複雑なので手計算はあまりおすすめしません。

自動計算してくれるシミュレーションサイトを最後に紹介していますので、ここでは流れを押さえる程度で大丈夫です。


1.最初に財産の確定をして相続税がかかるかどうかを判断し、2.相続税の総額を出して、3.相続人それぞれの税額を割り出します。

これだけ見るとそれほど複雑には見えませんよね。

実際の計算は以下のようになります。

1.課税価格をだす〜うちは相続税がかかる?〜

まず最初にやることは、正味の財産がどのくらいあるのか洗い出すことです。

正味の遺産額=「課税価格」がわかれば、相続税が発生するかどうかを判断することができます。

正味の遺産額は以下の計算で出します。

「相続財産」「みなし財産」「一定の贈与財産」「非課税財産」「債務・葬式費用」

聞きなれない単語が色々と出てきましたが、1つずつ説明してきますので大丈夫です!

相続財産

いわゆる「財産」と聞いてイメージするものが相続財産です。

遺産を残す人(被相続人)が生前から所有していて、経済的な価値があるものを指します。
  • 金銭債権:預貯金、公社債、有価証券、貸付金
  • 不動産:土地、借地権、家屋
  • 書画骨董、家財
  • 自動車
  • 海外にある財産
これらの評価額は、相続開始時点の価格で計算されます。

みなし財産

みなし財産とは生前には所有していなかったものの、被相続人の死去により受け取れるので「相続財産とみなされる」ものです。

主に「生命保険金」、「死亡退職金」などが対象になりますが、これらは生活保障という性質を考慮して一定の控除ができます。(後述します)

一定の贈与財産

生前の贈与には通常「贈与税」がかかりますが、下記の財産については相続時に清算することになっています。
  1. 相続開始前から3年以内の贈与財産
  2. 相続時精算課税制度による贈与財産
少しややこしいですが、1.の「亡くなる前から3年以内の贈与」は、「相続税を払うよりお得」にならないための仕組みです。

2.の「相続時精算課税制度」とは、「2,500万円までは贈与税を取らないかわり、相続税として清算します」という税の後払い制度です。


まずは、上記3つの財産を合算します。


次は、ここから非課税の財産や控除分をマイナスします。

「相続財産+みなし財産+一定の贈与財産」「非課税財産」「債務・葬式費用」

非課税財産

非課税財産とは相続税を取るのに不適切とされるもので、以下のようなものが含まれます。
  • 墓地、墓石、仏壇など祭祀財産
  • 国や地方公共団体、公益法人への寄付
  • 弔慰金
  • みなし財産の一部
このうち、みなし財産とは生命保険金、死亡退職金などを指すんでしたね。

生命保険金、死亡退職金には控除額が設けられており、「500万円×法定相続人の数」を差し引くことができます。

例えば、5,000万円の保険金を受け取り3人が法定相続人だった場合、「500×3=1,500万円」を控除できるので、3,500万円が財産額となります。

債務・葬式費用

債務には金融機関からの借入金や飲食店のツケなどのほか、亡くなった人の未払い医療費や払うはずだった所得税、住民税などの税金も含まれます

葬式にかかった費用は、お通夜にかかる費用や戒名料、お布施も含みます。

葬式費用と認められないものは、香典返しや初七日などの法事費用やお墓の購入費です。


上記2つをマイナスすると課税価格(正味の遺産額)が出ます。


「課税価格≦基礎控除額」であれば相続税は発生せず、申告も不要です。



例えば、妻と子ども2人の計3人が法定相続人の場合、3000+600×3=4,800万円が基礎控除額となります。

4,800万円以下であれば、相続税はかからないということになります。

ワンポイントアドバイス


財産の確定をスムーズに行うためには、「財産目録」を作りましょう。

相続税のシミュレーションができるだけでなく、財産が明確になることで相続トラブルの防止にも有効です。

財産目録とは預貯金や不動産などプラスの財産と、負債などマイナスの財産すべてを一覧表にしたものです。

エンディングノートがある人は、財産のページが同様の役割を果たします。

これがあると税理士相談でもより具体的なアドバイスが受けられますので、ぜひ持参することをおすすめします。

こちらから財産目録のテンプレートをダウンロードできます。

>>サラリーマン相続入門(ページ下部に配布データ)

遺言書とともに残す正式な目録を作る場合、専門家に依頼した場合の費用は5万円程度です。



2.相続税の総額をだす〜全部でいくら?〜

ここからは、「相続税がかかる場合」の計算になります。

課税価格が基礎控除額以下であれば相続税はかかりませんでしたね。

例えば法定相続人が3人(妻・長男・長女)だとすると基礎控除額は4,800万円。

課税価格が4,800万円以下であれば相続税は0。

課税価格が1億4,800万円だとすると、基礎控除からはみ出した1億円に対して相続税がかかります。

ところが、計算方法は1億円に税率を掛けるのではありません。

1億円を法定相続人が「法定相続どおりに取得したとみなして」速算表に当てはめて計算します。

@課税価格(基礎控除後)を法定相続分で分ける
妻  1億円×1/2(法定相続分)=5,000万円
長男 1億円×1/4=2,500万円
長女 1億円×1/4=2,500万円


A速算表に当てはめて計算
@で出した金額を、下記の表に当てはめて相続税を出します。





ここで出た金額が各自が支払う相続税…ではなく、一度合算します。

800+325+325=1,450万円

1,450万円が相続税の総額になります。

基礎控除を超えた部分に直接税率を掛けておわり。ではなく、「相続人に分配したと仮定して」計算しなければいけない点がややこしくなっています。


3.各相続人の税額をだす〜誰がいくら払う?〜

財産に対する相続税の総額が出たところで、ここからようやく相続人それぞれの税額を計算します。

おさらいすると、

課税価格(正味の遺産)が1億4,800万円あった場合、法定相続人が3人だと4,800万円の基礎控除が受けられました。

残りの1億円にかかる相続税は1,450万円。ここまでが前項の内容です。

ここからはこの1,450万円を、「誰がいくら払うか」を計算します。

法定相続どおりに財産を分けた場合
1億4,800万円の財産を法定相続に従って分けた場合は、相続税も同様に分けます。

妻 1,450万円 × 1/2(法定相続分) = 725万円
長女 1,450万円 × 1/4 = 362万5,000円
長男 1,450万円 × 1/4 = 362万5,000円


財産を妻60%、長女30%、長男10%に分けた場合
1億4,800万円の財産を法定相続と違う割合で分けた場合は、実際の分割割合で相続税を分けます。

妻 1,450万円 × 0.6 = 870万円
長女 1,450万円 × 0.3 = 290万円
長男 1,450万円 × 0.1 = 145万円

※ただし、配偶者は1億6,000万円まで控除が受けられるため、725万円⇒0円になります。
配偶者控除などの特例を適用する場合は、相続税額が0でも申告が必要です。


面倒な計算を省略できる相続税シミュレーション

このように、相続税の計算はとても複雑です。

手計算しても良いのですが、これらをより簡単にシミュレーションできるのが以下の簡易計算サイトです。

法定相続どおりのシンプルな計算はこちらから。

>>全国相続サポートセンター

正味の遺産額の割り出しや、法定相続以外の分割などより細かいシミュレーションはこちらをどうぞ。

>>新生銀行の相続税シミュレーション

ただし、これらはあくまでも目安です。

財産額をはっきり把握している場合は良いですが、不動産など正確な財産評価は難しいものです。

「もしかしたら相続税がかかるかも…」と心配な人は税理士に相談しましょう。


最終的には税理士に相談を

これまで見てきたように、相続税の計算はとても複雑で一度ではなかなか理解できないと思います。

シミュレーションでこれらの計算を自動化することはできますが、あくまでも「おおよその目安」なので税理士に相談するのが最も確実です。

税理士相談を利用する人の多くは財産を相続予定の子世代で、相談内容は「親の財産を相続した場合、相続税がかかるのかどうか」「かかる場合、相続税対策はどうしたらいいか」というのが大半を占めるそうです。

つまり、多くの人がほとんど知識のない状態で相談に行っているということです。

無料相談は大体の事務所で行っているので、2〜3件相談して回るのも良いでしょう。

その際の注意点を以下にまとめました。

相続案件を多く扱う事務所を選ぶ

税理士と一口に言っても、相続を集中して扱っているところとそうでないところがあります。

医者にも専門があるように税理士にも得意分野があります。

節税対策のアドバイスなども受けたい場合は、相続案件を多く扱う事務所を選ぶと間違いありません。

まずはお近くの税理士事務所をインターネットで検索して、「御社は相続案件について扱っていますか?」「相続案件を専門でやっていらっしゃいますか?」など数社に電話してみるとよいでしょう。

財産額がわかる資料を持参する

相談時には財産目録を持参すると話がスムーズに進みます。

そのほか、固定資産税の納税通知書、確定申告書の控え、保険証券などがあるとより詳しい試算結果を知ることができます。

家族構成を図にしておく

相続人の数は基礎控除額に関わりますので、家系図を書いておくと誰が相続人なのか一目で分かります。

口頭で説明しても良いですが、無料相談という限られた時間を有効に使うために準備しておくと良いでしょう。


近くの税理士を探せるサイト
税理士への相談は契約が決まるまでは無料のところがほとんどです。気軽に相談してみましょう。

こちらのサイトでは、相続税申告に詳しい税理士を無料で紹介してくれます。

税理士業務は多岐に渡るため、問い合わせフォームに入力する際は「相続」の項目にチェックを入れるのをお忘れなく!

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