お墓は建てた後や継いだ後にも意外とメンテナンス費用がかかる

「両親がなくなったら、お墓の管理は自分たちでしなければいけない。」

「お墓を継いだけれど、自分たちの代で区切りをつけたい。」

など、お墓を継ぐと責任も増え、なにかと心配ごとが出てくるものですよね。

お墓を管理していくことは思った以上に大変で、生活に関わってくる問題です。

特に維持費やメンテナンスなど、お金について心配がないという人はいないのはないでしょうか。

今回は、今あるお墓を継いで管理していくのにかかる費用…具体的には「お墓の管理費や法事」、「お墓の引っ越しやリフォーム」、「墓じまいにかかる費用」など、いわゆるランニングコストについてまとめています。

また、費用を抑えて家族の負担も少ない「永代供養墓」についても触れています。

これから家のお墓をどうしていくか悩んでいる人や、お墓のお金が足りるのか不安という人はぜひ読んでみてくださいね。


お墓を継いだら、墓地での手続きを忘れずに!

家のお墓を所有し、葬儀や法事についての決定権を持つ人を「祭祀(さいし)主宰者」と言います。

この権利は生前に引き継ぐことができないため、祭祀主宰者がなくなってはじめて権利が次の人に移ります。

では、お墓を継ぐ人はどのように決まるのでしょうか。

次の祭祀主宰者の決め方として一番優先されるのは遺言書や口頭での指定です。

もし遺言などがない場合には地域の慣習に従い、それでも決まらない場合は家庭裁判所が判断して取り決めます。

祭祀主宰者が決定したら忘れずに行うことが「墓地の手続き」です。

この手続きを忘れて墓地の管理費を滞納しつづけると最悪の場合、墓地の使用権がなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

墓地の継承申請手続き
祭祀主宰者として指定された人は、墓地に「継承使用申請書」を提出しにいきます。

手続きに持参するものとして、戸籍謄本、新しい祭祀主宰者の実印と印鑑証明書、墓地使用許可証、「継承の事実を証明する書類」が必要です。

「継承の事実を証明する書類」とは、遺言書か、遺言書で祭祀主宰者が指定されていない場合は故人の葬儀費用の領収書などです。

墓地によって必要書類が異なる場合があるので、まず管理者へ問い合わせてみましょう。

ちなみに、お墓は祭祀財産といって相続財産と区別されるため税金は一切かからず、役所での手続きなども必要ありません。

祭祀主宰者が継ぐもの
祭祀主宰者は葬儀やお墓に関する決定権を持ちますが、かわりにお墓を守る義務も発生します。

具体的には墓地管理費の支払い、お寺との付合いや法要を執り行うことなどです。

寺院墓地にお墓がある場合は、仏教行事の参加や寄進(寄付)など檀家としての役割も引継ぐことになります。

実際にお墓を継いでからいくらかかるかを下記にまとめました。


1.今のお墓を継いでそのまま管理する場合の費用

お墓を継いで管理していくときにかかるお金は、「墓地の管理費+法要を行う費用」です。

墓地の管理費
墓地には公営、民営、寺院墓地という3つの種類があり、それぞれ管理費が異なります。

公営墓地は最も安く、年間4,000〜1万円程度の管理費のみです。

民営墓地は5,000〜1万5,000円とやや高くなりますが、その分送迎バスや墓地内設備などが充実していたり、法要の手配をお願いできるなど管理は手軽になります。

寺院墓地では5,000〜2万円程度の管理費に加え、仏教行事の参加費用1〜3万円が年に2度ほどかかります。

法要の費用
まず、親族がお墓に入るときは納骨式を執り行います。

お布施や会食の費用などを含めると、10〜15万ほど必要です。

法要は死後7日ごとに四十九日まで行われ、その後は一周忌、三回忌、七回忌など年忌法要(ねんきほうよう)を行います。

お布施は葬儀の際に「四十九日までこれでお願いします」と伝えておくか、都度お渡しします。

四十九日や一回忌の法要は親族を招いて行うため、お布施や会食などで5〜10万円程度必要です。

三回忌以降〜三十三回忌までは、数万円程度の費用になります。

かかる費用まとめ
お墓の管理費
公営墓地
4,000円〜10,000円/年
民営墓地
5,000円〜15,000円/年
寺院墓地
5,000円〜20,000円/年

法要費用
納骨式
10万〜15万円
四十九日・一回忌
5万〜10万円
三回忌以降
3〜5万円

墓地の管理費は年間数千円〜2万円ほどですが、寺院墓地の場合はお寺とのお付き合いで支出が増える傾向があります。

公営墓地が最も安く、民営や寺院墓地は墓地の規模や、お寺の格式などで値段が変わります。

法要は葬儀から三十三回忌の弔い上げまでは計7〜13回必要で、会食やお布施などの準備は基本的にお墓を継いだ人が工面しなければなりません。


2.お墓を継ぎ、引っ越しをする場合の費用

「実家にあるお墓が遠く、なかなかお参りにいけないので近くに移したい」という場合、「たくさんある親族のお墓を1つにまとめたい」という場合にお墓の引っ越しにかかる費用は平均して200〜300万円です。

お墓を1から建てるよりも、撤去の費用が発生するため割高になります。

お墓を移すときに必要な手続きと、料金の目安は以下の通りです。

今のお墓ですること
  • 埋葬証明書の取得:墓地の運営元から発行してもらいます。300〜1,500円/1体
  • 墓石の撤去&整地:石材店に依頼します。墓地の指定業者があることも。10〜15万円/1u
  • 遺骨の取出し:3〜4万円
  • 閉眼法要(魂抜き):お布施として2〜5万円
  • 離壇料の支払い:お寺によって対応が異なります。0(お気持ち)〜20万。

次のお墓ですること
  • 受入証明書の取得:墓地の運営元から発行してもらいます。
  • 遺骨を納める:〜3万円
  • 開眼法要:お布施として3〜5万円
  • 戒名料:宗派が異なるときは新しく必要な場合があります。

Aさんのケース

息子の家の近くにお墓を移そうということになり、菩提寺の住職に相談して同じ宗派の墓地を紹介してもらいました。

墓石を撤去する石材店も紹介して頂き、遺骨の取り出しと墓石の撤去、処分をお願いしました。費用は13万円でした。

古い墓石は運搬すると20万ほどかかってしまうので、これを機に新しいお墓を建てることにしました。

離壇料は設けていないということだったので、閉眼供養と合わせて15万円ほどお布施をしました。


Bさんのケース

3つある親族のお墓を1つにまとめて、新しい墓地に移しました。

お墓1つずつに閉眼供養と墓石の撤去が必要だったので、離檀料も含めて65万円。

新しいお墓は宗派が異なったので、戒名料を含めて42万円お布施しました。

新しいお墓の墓地と墓石に180万円かかり、全て合わせると約290万円ほどになりました。


Cさんのケース

なかなかお参りに行けないのでお墓を移したいとお寺に伝えたところ、離檀料として300万円必要と言われた。

理由を聞くと、「檀家としてのつとめが不十分だった、ほかの檀家への負担が増える」とのこと。

これまで護持会費(管理費)も払っていたのに納得できないが、引っ越しに必要な書類を発行してもらえないので仕方なく払った。

引っ越し先は永代供養の納骨堂にしたので100万円ほどだったが、トータルで450万円ほどかかってしまった。



ここに注意!その1

Cさんのケースのように、お寺を離れることはトラブルが起こりやすく、後味の悪い思いをしたという人も少なくありません。

一番大事なことは、「移ることになったので埋葬証明書をください。」と突然通告するのではなく、まずは検討段階で相談することです。

お墓の引っ越しは管理者の協力なしには進みませんので、遺骨を移す事情を丁寧に説明しましょう。

離檀料はそもそも仏教の決まりにはないもので、従来は「これまでお世話になりました」という気持ちをお布施としてお渡ししていました。

ですので今でも離壇料を定めないお寺は多く、取る場合でも10〜20万円程度のところが多いようです。

ごく一部のお寺では100万円以上の請求をするところもあるようですが、あまりに高すぎる場合は役場や専門家の無料相談窓口で相談してみましょう。

家族に代わって毎日供養し、大切に管理して頂いたことを感謝して、必ずお布施はお渡しするのがマナーです。



ここに注意!その2

お墓を引っ越すときは、古い墓石をそのまま使ったほうが安くなると思いませんか?

ところが運搬費用の目安は20〜80万円ほどとなり、案外安くはありません。

また、これまでと宗派が異なる場合には戒名を付け直す必要があったり、景観を統一するため墓石の持ち込みを断られることもあり、その場合は新しくお墓を建てる必要があるのです。

費用を抑えたいときは、宗教宗派が自由で管理費の安い公営墓地や、管理費が不要の永代供養墓を選ぶと良いでしょう。

墓地にこだわりがない場合は、代々お世話になっている菩提寺から同じ宗派のお寺を紹介してもらうとスムーズに引っ越しできます。

かかる費用まとめ
元のお墓の撤去

50〜100万円

お布施・離壇料
10〜30万円
新しい墓地&墓石
150〜200万円

お墓の引っ越しにかかる費用は、「新しい墓地とお墓+元のお墓の撤去費用」です。

元のお墓で50〜100万円ほど、新しくお墓を建てる費用に150〜200万円ほど必要になります。

費用を抑えるには永代供養墓を利用して、墓石を建てない方法が最も安上がりです。


3.お墓のメンテナンス費用

長年雨風にさらされるお墓は、どうしても汚れたり、ズレや欠けなどが起こります。

お墓によっては風化してボロボロになったり、傾いたりカロート(納骨室)に水が溜まることもあり、こうなるとリフォームが必要です。

最近では地震被害を考慮して、免震施工や倒れにくいお墓への建て替えなども行われています。

お墓のメンテナンスには主に3つの種類があります。
  1. クリーニング:汚れ、着色、雑草
  2. 修繕:目地や墓石の破損、免震
  3. 建て替え、リフォーム:石の風化、傾き

そして、お墓の部位の各名称はこのようになっています。


1.クリーニング
お参りのたびに掃除していても、どうしても水垢で黒ずんできたり、苔が生えてきて汚れてしまうもの。

プロによるクリーニングでは墓石だけでなく、外柵や階段、花立や水鉢などの細かいところまでキレイにすることができます。

また、汚れが付きにくいコーティング処理や、雑草対策として敷地にコンクリートを流して砂利を引くこともできます。

お墓が遠方にあってなかなかお参りできないときは、お墓の掃除やお花のお供え、お線香をあげてお参りしてくれる代行サービスもあります。

墓地管理者に問い合わせるか、「墓参り 代行」などで検索しましょう。

クリーニングの料金は、墓石(花立・香炉・水鉢含む)で2〜6万円。

外柵(卒塔婆立・階段含む)で5〜7万円程度で、セットで行うと割引があるところもあります。

コーティング処理は1〜2万円と比較的安く、雑草対策は4〜6万円ほどです。

お墓参り代行サービスは簡易的なものだと1回あたり5,000円くらいからあり、大体1万〜1万5,000円くらいが多いです。

2.修繕
お墓が古くなると、目地(竿石と土台の接合部)が切れてしまったり、付属品の消耗や地震による倒壊が心配になる人もいるのではないでしょうか。

修繕だけではなく、お墓を新品同様によみがえらせる「墓石の磨き直し」という加工もあります。

目地の補修、植木の交換、香炉や花入れなど付属品の交換は2〜5万円。

免震施工は墓石の接合部(目地)に接着剤を入れて固定する方法で3〜6万円。

地下に埋まっているカロート(納骨室)を地上に上げる工事は10〜50万円ほどかかります。

3.建て替え、リフォーム
修繕では追いつかないほど老朽化していたり、ゆがみや傾きがある場合はお墓の建て直しを検討します。

墓石のみのリフォームは30万円〜。外柵のみの場合は40万円〜となります。

墓石と外柵をトータルで建て直した場合は50〜150万円と幅があります。

別途かかるものとしては、基礎工事が10〜50万円。

元の墓石の撤去費用として7〜10万円がプラスされます。

ワンポイントアドバイス


民間墓地や寺院墓地の場合、提携している業者しか使えない場合があります。

お墓のクリーニングや墓参り代行はOKでも、リフォームや修繕などの工事は墓地の指定店のみということがあります。

まずは墓地管理者に聞いてみましょう。


かかる費用まとめ
クリーニング

50〜100万円

修繕
2〜50万円
建て替え・リフォーム
40〜150万円
お墓のメンテナンス費用は墓地の面積や墓石のサイズによって異なります。

標準的なお墓の面積は1〜2u、墓石は8〜9寸が一般的ですが、現地見積もりをして実際の料金を確認することが大切です。

墓参り代行は取り扱いがないところもありますが、お墓の掃除と供花、お参りを依頼することができ1回5,000円〜1万5,000円ほどで利用できます。


4.継いだお墓を自分たちの代で終わりにする場合の費用

「お墓を自分たちの代で終わりにする」ことを「墓じまい」と言います。

具体的には継承者がいらない「永代供養墓」に遺骨を移したり、海に散骨するなどお墓以外の形で供養したりします。

元のお墓は更地に戻し、墓石は処分します。

永代供養墓には3つの種類があり、それぞれの料金は以下の通りです。

  1. 個別墓:50〜200万円
  2. 自分でお墓を建てる場合と、納骨堂のように個別墓に入る場合がある。

  3. 共同墓:10〜50万円
  4. 遺骨の安置期間によって料金に差。

  5. 樹木葬:10〜80万円
  6. 区画の広さによって料金に差。

永代供養墓の料金の差は個別スペースを確保するかどうかで差が出ます。

個人のスペースを持たない共同墓は最も安く、次いで樹木葬が安くなります。

個別墓は一見新しくお墓を建てるのと変わらないので親族にも受け入れられやすい形ですが、その分費用は高くなり、一定期間が経過すると共同墓へ合祀されます。

納骨堂も同様に、一定期間経過後は合祀になります。

お墓をまとめて1つにするときは
親族のお墓などをまとめて1つのお墓にするときは、引っ越しと同様「新しくお墓を建てる費用、古い墓石の撤去費用、法要(閉眼・開眼)、遺骨の取出し・埋葬」といった費用がかかります。

お墓の数だけ閉眼供養、墓石の撤去、遺骨の取出しが必要になります。

墓石の撤去は面積に応じて10〜30万円がかかり、不要になった墓石は石材店で引き取ってもらえます。

同じ墓地にある墓石をひとまとめにする場合は「改葬許可証」は不要ですが、閉眼・開眼法要はお墓ごとに必要になります。

安くしたいとき

費用を抑えるには、まとめた遺骨を新しいお墓に入れず永代供養墓へ納める方法があります。

その場合は、家墓がなくなることに対する親族の心情などに考慮して、よく相談して進めることが大切です。

また、元の墓地に支払った永代使用料は返還されませんので注意が必要です。

墓じまい、お墓以外の供養方法と費用
お墓を終わらせるとき永代供養墓以外の供養方法として人気があるのが「散骨・海洋散骨」と「手元供養」です。

海に散骨するときの遺灰を少し残してアクセサリーやオブジェを作り、自宅で供養するといったように、散骨と手元供養をセットで行う人も多いです。

散骨費用は1家族だけ個別で行う場合は20〜30万円。

複数の家族で合同の場合は〜10万円。遺族が同乗せず業者に委託する場合は5万円程度です。

手元供養は自宅に飾っておけるオブジェやミニ祭壇の場合5〜10万円。

遺灰を収納又は加工したアクセサリーは1〜5万円、遺骨からダイアモンドを作る場合は50〜300万円など、加工方法により様々です。

ここに注意!

散骨も手元供養も、「節度をもって行う限りは問題ない」とされていますが、大切なのは残された家族への配慮です。

散骨は遺骨がなくなってしまうところが良い点でもあり、悪い点でもあります。

家族の中には戸惑いを感じる人も出てくるため、生前に本人から意向を伝えておくか、遺言に残しておく必要があります。

かかる費用まとめ
元のお墓の撤去

50〜100万円

お布施・離壇料
10〜30万円
供養
10〜200万円
墓じまいをするときにかかるお金は、「元のお墓の撤去+供養」の費用です。

お墓の撤去は50万円ほどかかりますが、新しくお墓を建てる費用や管理費もなくなるため、管理する人にとって一番負担のない方法です。

供養の方法には永代供養墓や散骨、手元供養などさまざまな方法があり、一番安いものでは10万円から行うことも可能です。

ただし、お墓がなくなることに対して親族で意見が分かれる場合もあるので、よく話し合うことが大切です。


まとめ

お墓を継ぐときは、どのように管理していくかに応じてかかる費用が変わります。

ケース別の費用の目安をまとめると以下のようになります。
  • お墓を継いで管理(三十三回忌まで):70〜125万円
  • お墓の引っ越し:200〜300万円
  • お墓のメンテナンス:5〜50万円
  • 墓じまい&供養:70〜200万円

新しいお墓を建てる場合は150〜200万円が平均的な相場になりますが、新しく建てるよりもお墓を移すほうが数十万円以上高くなります。

掛けられる予算が少ない場合は、永代供養墓や墓じまいを検討することも1つの方法です。

永代供養墓では他の人と一緒に埋葬されても良いか、個別が良いかが料金を抑える分かれ目となります。

個人のスペースを作らない共同墓や樹木葬は最も安く、個別スペースがあるものでは納骨堂のほうが個人墓よりも安くなります。

大切なのは、お金をかけて立派なお墓を建てることより、身の丈に合った方法で故人を供養していくことです。

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