エンディングノートってどんなもの?遺書とは違うの?

「エンディングノート」という言葉を聞いたことがありますか?

人生の棚卸しをしながら自分の最期を考え、相続や葬儀などの希望を残された家族に確実に伝えるためのものです。

「終活」のはじめの一歩として使われるエンディングノートは、これからの人生をよりよく生きたいと思う人にこそオススメです。

この記事では、退職後の目標を見つけたい人、いつかはと思いながら終活をまだはじめていない人や、ご家族に終活してとなかなか言い出せない人に向けて、エンディングノートでできることやそのメリット、ノートの書き方や続けるコツまでくわしく説明しています。

記事の最後にはエンディングノートを無料でもらえるサイトも紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね!


エンディングノートは人生の証

エンディングノートは、人生の最期を迎えるにあたり自分にもしものことがあった時に、自身の思いや希望を残された家族に確実に伝えるためのものです。

基本的な内容は、ご自身のプロフィールや人生の振り返り、もしものときの希望(医療、介護、葬儀、墓、相続など)、家族や友人へのメッセージなどですが、ほかにも自分の好きな項目を自由に追加することができます。

書店に並ぶエンディングノートは、女性向けのデザインのものや自分史が書けるものなど、各社特色ある商品を出しています。

最近では葬祭業の資料請求や終活セミナー、金融機関などでもノートを無料進呈するところが増えてきました。

遺言書と違って「死ぬための準備」ではなく、これからをよりよく生きるため、自分の思いや価値観を伝えるためのノートとして書かれ、書いた内容は家族に共有することが良いとされています。

2015年に60代以上の男女2,000人を対象にしたアンケートでは、約50%もの人が「エンディングノートを知っている」と答えており、その言葉の認知度は高まってきています。

ところが、「実際にエンディングノートを書いている」という人は全体の約7%しかおらず、約44%の人が「書いてみたいと思っている」まま手をつけていないことがわかります。


(ライフメディア リサーチバンク調べ)



無縁社会、核家族化の現代では親子が離れて暮らしたり、身寄りのいない「おひとりさま」も増えてきていて、昔のように自分の最期についてほかの人と話す機会が少なくなっています。

そんなときにノートを用意しておけば希望が尊重され、残された家族やお世話をしてくれる人の助けになります。

でも「自分がなくなった後の希望を書くなら、遺言書でいいんじゃないの?」と思う人もいますよね。

では、遺言書とエンディングノートの違いを次の項目にまとめました。


遺言書とエンディングノートは役割が違う。ベストは両方用意すること

遺言書とエンディングノートの最大の違いは、「法的効力の有無」です。

エンディングノートも遺言書も、自分の意思を残された家族に伝えるという目的は同じです。

ですが法的効力のある遺言書に対して、エンディングノートの場合はそれ自体に効力はありません。

遺言書に書かれたことは裁判所の決定と同じ効力を持つほど最優先されますが、エンディングノートはあくまでも「本人の希望」であり、家族はそれを無視することもできるのです。

「それではエンディングノートはいらないのでは?」と思うかもしれませんが、2つは互いを補うものなので両方書くのがベストです

両者の特徴や違いは以下の通りです。

遺言書
  • 死後に法的効力をもつ
  • 書き方に決まりがある
  • おもに相続ついて書く
  • 専門家に作成依頼ができる
  • 費用は数百円〜十数万円
エンディングノート
  • 法的効力はない
  • 書き方や形式は自由
  • 葬儀、医療、墓など相続以外にも書く
  • 自分で書く
  • 費用は無料〜数千円

遺言書は財産の分け方についてが主な内容で、そのほか遺言を執行する人の指定や、いわゆる隠し子の認知も行うことができます。

法的効力が認められるのは上記の内容だけで、たとえば葬儀やお墓に関する希望を書いてもあくまでも「本人のお願い」という扱いになります。

遺言書は自分で書くほか「公正証書遺言」といって、専門家に依頼して作成する方法があります。


対して、エンディングノートは相続のことだけではなく、葬儀やお墓のこと、医療介護の希望や家族へのメッセージなどを自由に書くことができます。

特に医療や介護など生前の希望や、大切な人との思い出やメッセージを書き残せることはエンディングノートの大きなメリットです。

法的効力がないので書いた内容は家族でオープンに話し合い、ノートの内容はどんどん更新するほうが良いのです。

ノートの形式や項目には決まりがありませんし、お気に入りのノートに写真の切り抜きを貼るなど自分で好きなように作ることができるため、遺言書よりずっと気軽にはじめることができます。

遺言書とエンディングノートの使い分けについて更に詳しく知りたい場合は国民生活センターが提供する資料をどうぞ。

国民生活センター「エンディングノートと遺言書その使い分け」


エンディングノートの書き方、どこから書きはじめてもOK

エンディングノートには何を書くかというと、「自分の情報」と「家族への希望」、そして「残したい想いと目標」です。

市販のエンディングノートは書店や通販でも購入できますが、手持ちのノートでも十分です。

あまり立派なノートを買うと肩に力が入って書けませんので、まずはお金をかけずにやってみるのがオススメです!

記事の最後には無料でエンディングノートをもらえるサイトも紹介しています。

自分の情報
  • プロフィール
  • 家族構成
  • 親戚・友人リスト
  • 人生の棚卸し
家族への希望
  • 医療・介護について
  • 相続・遺言について
  • 葬儀・墓について
残したい想いと目標
  • 家族へのメッセージ
  • 家族との思い出
  • 残したい写真
  • やりたいことリスト
  • 家系図  etc...
このうちどの項目から書いてもよく、必ずしもすべての項目を書く必要もありません。

書きやすいところから埋めていくようにしましょう。

自分の情報
ここで最も大切な項目は、「人生の棚卸し」の部分です。

幼少期から小学校まで、中学校まで、成人するまでと、成人してからこれまでの年代ごとのエピソードを書いていきます。

好きだった遊びや食べるもの、仲の良かった友達、お世話になった人など。

特に、感謝しているエピソードやありがとうと伝えたい人を思い出していくと、いかに多くの人に支えられて生きてきたかを感じることができます。

残りの人生で連絡を取りたい人やしてみたいこと、日々の過ごしかたを見直すきっかけになりますよ。

家族の情報には親や、配偶者、子どもの名前と生年月日に加えて、思い出のエピソードを添えましょう。

親戚・友人リストは連絡先だけでなく、その人との関係性を書いておくと、後から家族が見たときの助けになります。


家族への希望
この項目で大切なのは、「書いた内容を家族で話し合う」ことと、「だれがやるかを想定して書く」ことです。

「延命治療や葬式は不要」などは本人が希望していても、家族にとっては抵抗があることもあります。

また、介護や相続などの項目は「誰かがやってくれるだろう」と思わずに、誰にしてほしいかをハッキリと書くことが家族の負担を減らすことにもつながります。

医療・介護について

身長・体重・血液型・アレルギーや病歴など基本的な情報のほか、かかりつけ医や各種保険証情報と保管場所を記録します。

介護はどこでだれにみてほしいか、認知症になった場合に財産管理を行う「成年後見人」は誰にするかを書きます。

病気になった場合の告知の希望、延命治療、臓器移植や臓器提供の希望も書いておきましょう。

相続・遺言について

相続において大切なのは、「財産は借金も含まれる」ということです。

預貯金・クレジットカード・有価証券、不動産、ゴルフ会員権やゴールド積立などの財産情報に加えて、ローンなどの負債についてもしっかり書いておきましょう。

負債の支払い義務は相続人に渡りますが、財産との相殺を条件に相続放棄することもできます。

年金(公的年金・個人年金)、保険(生命保険・損害保険)、携帯やネットサービスの会員IDと暗証番号も書いておきます。

遺言の有無と保管場所、印鑑の場所なども残しておきましょう。

生前にこれらの情報を家族に知られたくない場合は、ノートを2冊に分けるのも1つの方法です。

葬儀・墓について

遺言書とエンディングノートを別々に保存しておくことは葬儀の際にも役立ちます。

厳重管理される遺言書と違って、すぐに見ることができるエンディングノートに葬儀の希望を書いておけば家族がすぐに判断できます。

特に盲点なのが、「病院で亡くなった後どこに安置するか」です。

家族はご遺体を一度自宅に搬送するのか、葬儀場の安置室へ運ぶのかという判断をとっさに下さなければならないため、本人が事前に意思を示すことはとても助けになります。

できれば葬儀社を生前に予約しておき、連絡先を残しておけばさらにスムーズです。

葬儀の希望(場所、規模、宗教、戒名、喪主の指定、遺影、葬儀社など)や、葬儀に呼びたい人も書いておきましょう。

すでにお墓がある場合は墓地名と連絡先、ない場合は埋葬方法の希望を書き、仏壇についても希望を記載します。

残したい想いと目標
この項目で大事なことは、「家族へのメッセージ」と「やりたいことリスト」です。

ここが人生をよりよく生きるためのエンディングノートという特徴を最も反映した部分です。

家族(両親、配偶者、こども、孫、兄弟姉妹)、友人、自分へのメッセージを残しましょう。

家族や友人との思い出エピソード、人生の節目になるような結婚や出産といったできごとも綴ります。

これまで行った旅行先や住んだ場所、これから行きたい場所、会いたい人や、これからやりたいことを思いつくままに書きましょう。

ほかにも、趣味で力を入れてきたこと、自分の宝物、家系図や思い出アルバムを作るのも良いですね。

これからやりたいことを書き出せたら、ぜひ簡単なことから実行に移すことをおすすめします。

エンディングノートを書くことを通して人生の棚卸しと今後の目標ができ、次にやるべきことが見えてきます。


いつから書けばいい?迷ったらすぐに始めよう

「元気なうちに書きましょう!」

これが遺言書にもエンディングノートにも言えることで、いつスタートしても早すぎることはありません。

もう少し具体的に言えば、終活に興味があり、年齢的にもそろそろ…と意識している人は今すぐ始めることをお勧めします。

備えあれば患いなしで、元気なときに書いておけば後から修正することもできますが、体調を崩してからエンディングノートや遺言書を作るのはかなり大変な作業です。

遺言書に至っては、もし認知症と判断された場合はせっかく作ったものが「無効」となることもあるのです。

終活に関心が高い60代以降の世代はもちろんですが、親の介護を考え始める40代くらいから一度作ってみるのがオススメです。

一度書けば後から修正するのは簡単なので、年に1回見返していくだけでOKです。

ノートを買ったものの書き始めるタイミングに迷ったら、年明けや誕生日などの区切りの良いタイミングではじめましょう。

また、「両親や家族に終活を進めたいけれどなかなか言い出せない…」というときは、まずはご自身でやってみて、その感想とともにエンディングノートをプレゼントするのも良い方法ですよ。

それでもご本人の気が進まないようであれば、書けるところはかわりに記入し、普段の会話の中から聞き出して埋めていくのが現実的です。

年賀状や連絡先の整理などをきっかけに、身辺整理を手伝うというスタンスで一緒に取り組んでいきましょう。

ワンポイントアドバイス


エンディングノートの各ページには必ず書いた日付を入れておきましょう。

エンディングノートは時間をかけて書き、また内容を随時更新していくものです。

書き終わるころには最初に書いた内容や状況が変化しているかもしれないので、「いつのことか」がわかることが大切です。



筆が止まるときは「人生の棚卸し」からやってみる

エンディングノートを買ってみたのはいいけど、なかなか筆が進まない。買ったまま置いてある。という人はいませんか?

シリアスなテーマだけに真剣に考え込むあまり、なかなか書き進められない人も多いようです。

遺品整理を行うある会社では「これまでにきちんと完成したエンディングノートは見たことがない。」という話もあります。

筆が止まってしまったり、買ったのに書けなかったりするのは一生に一度のものという緊張感も原因の1つです。

そんなときは、まずは「人生の棚卸し」の部分だけやってみることをオススメします。

  • 幼稚園のときよく遊んでくれた近所のおばさん
  • 小学校ではじめて仲良くなった友達や好きだった遊び
  • 学生時代に夢中になったこと、お世話になった先生
  • 20代の恋人、30代の仕事、40代の子育て…

それぞれの時代で感謝したいできごとはどんなことがあるでしょうか?

きっといろんな思い出がよみがえってくることでしょう。

これまでの人生を振り返ると、たくさんの出会いやできごとを通して自分がここにいるんだと感じることができます。

人生の棚卸しをしてからエンディングノートに向かうと、最初よりもずっと取り組みやすくなっているはずです。

また、終活関連のセミナーに参加することもノートを書くやる気をアップさせる良い方法です。

役所や葬儀社などが主催する終活セミナーなどを探してみましょう。


エンディングノートのメリットとデメリット

メリットは心の整理がつくこと、大切な人への思いを残せること


自分のことで家族に迷惑をかけたくないというときは、エンディングノートを書くことで何が準備できていて、何がまだなのかを整理することができます。

必要な情報がひとまとめになっているので、自分がいなくなった後に情報を探す手間が省け、必要なものがどこにあるか見つからないということがなくなります。

エンディングノートは介護や医療など生前の希望や、葬儀に関する希望も書くことができます。

自分の意思を示すことで家族が迷わず判断でき、精神的な負担を減らすことができるという点も大きなメリットです。

親の延命治療についての希望を聞いていなかったがために、その判断をした人が「自分が死なせたのではないか」とずっと後悔し続けるケースは少なくありません。

エンディングノートを書くことで、もしもの時に大切な人を守ることができます。


デメリットは法的効力がないこと、書き上げるまでに時間と気力がいること


エンディングノートに書かれたことはあくまでも「本人の希望」なので、必ず実行してほしいことは遺言書に書く必要があります。

ノートは考えながら書くため、どうしても時間がかかり途中でやめてしまう人もいます。

夫婦や友達同士で一緒に書く機会を作ったり、エンディングノートの書き方セミナーに参加すると前向きな気持ちで取り組むことができます。

全部完璧にしようとすると続かないので、気楽に気長に、趣味の1つという気持ちで書いていくのがおすすめです。

書いた内容はオープンに家族で話し合うと良いですが、見られたくない情報は別のノートに分けて管理するのも1つの方法です。


エンディングノートがおすすめな人

還暦を過ぎたら、私にはまだ早いと思わず一度はノートを書くことをお勧めします。

退職後の第二の人生を考えるときにも、エンディングノートはこの先の目標を立てるのにとても役立ちます。

シニア世代の70代80代は元気なうちにぜひ取り組んでみてくださいね。

おひとりさまで暮らす親が心配なお子さんや、介護中の方も親子で一緒に考えたり、ノートをプレゼントすることもできます。

エンディングノートを書くべき人は、「家族に迷惑をかけずに、残りの人生を楽しく生きたい。」と思うあなたです。

「残すようなお金もないし、葬儀もお墓もお任せでいいから。」と思うのであれば、それをノートに書いてみましょう。

思っていたよりもずっと書いておくべきことがあるんだ!と発見があるはずですよ。


まずは無料のエンディングノートからはじめよう

エンディングノートは一度書いて終わり。ではなく、内容を見直して更新していくことが大切です。

そのために一番大切なのは「とりあえず気楽にはじめる」ことで、最もジャマになるのが「気負い」です。

もしあなたが、「よしさっそく今日からエンディングノートを書くぞ!せっかくだから人生の集大成にしよう!」と思って、化粧箱入りの立派なエンディングノートを買ったとします。

コレは間違いなく完成しません。

失敗しちゃいけない、何を書こうか?と思い悩んでいるうちに、逆に書けなくなってしまいます。

エンディングノートを書く上で大切なことは、とにかくはじめてみることです。

本を出版するときも、何度も何度も修正を繰り返してようやく完成するように、あなたの人生を1度でまとめられるはずはないのです。

だからこそ、最初は無料でもらえるノートで気楽に書いてみることです。

「とりあえず書いてみる」くらいの気持ちではじめてみるほうが、「次はもっと内容が充実したノートを買おう」とか、「自分で作ってみようかな」と楽しく続けられます。

内容が重たいだけに後回しにしがちですが、元気なうちにこそゆっくり時間をかけて自分の人生をデザインすることができます。

こちらは「シンプルなお葬式」という葬儀社の公式サイトですが、資料請求をするとエンディングノートが無料でもらえます。

お金をかけないお葬式ってどんなの?ノート目当てに資料請求をしてみるのもオススメです。
↓↓↓
>>シンプルなお葬式